東洋医学はバランス医学

東洋医学(漢方)では、健康とは人体を構成する様々な要素が全てバランスよく構成され、過剰でも不足でもなく、体内の流れが滞ることもない状態のことを指します。逆に言えばそのバランスが崩れ始めたとき、すなわち病気になりそうな状態を未病といい、未病の段階で体内のバランスを様々な方法(漢方薬、鍼灸、指圧など)を活用して整え、健康な状態に戻すことが重要とされています。

◎ 気・血・水

漢方では、人体は「気・血・水」の3要素で成り立っていると考えられています。気は生命のエネルギー源で、生命活動や生理機能を維持する原動力です。血は全身に栄養を与え、生命活動を活性化する赤い液体です。水は体内の液体の総称で、身体の防御機能に関する透明な液体です。この3要素が滞ることなく循環し、過不足なく適正な状態であることが、即ち健康であるということです。

◎ 内臓の働きと食のバランス

漢方では古来より内臓の働きを五臓六腑(ごぞうろっぷ)に分けて考えてきました。五臓とは「肝、心、脾、肺、腎」、六腑とは「胆、小腸、胃、大腸、膀胱(ぼうこう)、三焦(さんしょう)」を言います。五臓は気や血、体液など体に必要な物質を生成し、貯蔵、運行にも深く関与していると考えられています。六腑は、飲食物の消化や排泄に関与していると考えられています。五臓はバラバラに独立しているのではなく、それぞれ密接な関連性を持っており、お互いに助けたり抑制しながらバランスをとっています。